お家の絵本

～その１～「民法の基本原理」

～民法とは～

　民法は、明治時代に制定された、すごく古い法律です。
私たちが、生活をする上に、平等に（均等に）生活が出来るように、
定められている法律です。

それゆえ、基本原理自身も、平等に基づいて作られています。
しかし、時代の流れとともに、私たちの生活環境、世情の風潮が変化し続ける
現代におきまして、徐々に時代にあったものへと変化し続けてもいます。
また、以前には法律に細かく記載されていない微妙な事項につきましても
「判例（裁判判決例）」によって、決まっていくこともあります。

民法の原則とは・・・
①「所有権絶対の原則」
　　これは、私たち個人の財産は保証され、他人はもとより国家であっても
個人の財産に干渉することは許されないというものです。
②「契約自由の原則」
　　これは、誰とどのような方法で、どんな内容の契約を締結、または締結しない
かは、全て自分の意思によって決定されるというものです。
③「過失責任の原則」
　　これは、損害が発生しても、故意または過失がある場合だけ損害賠償責任を
負えば足りるというものです。

しかし、この文章だけですと、取りかたによっては、危険な場合もあり・・・
と言う事で、民法第１章には次のように規定されています。
１．私権は公共の福祉に従う。
２．権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
３．権利を濫用する事は許されない。

まぁ、良く考えてみれば、その通りだって思うかもしれませんが・・・
それが民法の考え方なのです。
物の見方によっては、え～そうなの？と思う・・・
それは、被害者側になってる気持ちの時に起こる現象でしょう。

例えば・・・

ルーチェ花梨	二人のお友達がいるとします。ルーチェは、花梨に、ある借り物をしようとしています。
	ねぇねぇ、花梨ちゃん。その首飾りきれいねぇ～ちょっと、１日だけ貸してよ～
	うん。良いよ。あした返してね。
	ありがと。じゃあね～
～家の帰り道・・・～
	う～ん、やっぱりきれいだなぁ～・・・きゃっ！！
ルーチェは、急にでてきた自転車にはねられそうになりました・・・
	あ～、びっくりしたぁ～・・・って、あ～っ！！
びっくりして、手元に力が入ったのか、ネックレスの紐が切れて、宝石が散らばってしまいました・・・

この場合・・・ルーチェは全てを弁償しなければならないかというと・・・
民法で言えば、それは不要になってしまうのです。

それは、故意で壊したわけではなく・・・自分の身の危険を守る為に、
気付かずにやってしまったから。ということです。
もちろん、こういうお友達関係であれば、信義上弁償してあげるのが通常ですけど・・・

という感じに、あくまで平等に、対等にお互いの立場を考えて結果を導き出すものが
民法であります。
こういう法律が無く、感情だけで流されれば、過失の少ない人に膨大な賠償を償わな
ければならざるを負えなくなる・・・というのを防ぐ為に制定されたといえるでしょう。

今回のお話は・・・ちょっと難しかったでしょうか？
とにかく、民法は平等な法律だって言う事を前提に・・・

次回からは、実際私たちの生活の場を元に、民法というものを見ていこうと思います。