〜その16〜相続について@

 相続の問題というのは、ほとんどの家庭で必ず起こるものといってよいのではないでしょうか?
特に、兄弟姉妹の多い家庭ではなおさらです。
遺言(いごん)により、相続分がはっきりとしていればある程度の紛争は免れるかもしれませんが、
遺言がまた大きな問題になることもしばしばです。

相続については2回に分け、今回は、どんな人が相続を受けられるのか、
2回目はその受けられる人の分け前はどのくらいになるのか。
についてお話します。

悲しい出来事の起こったあとのお話です。きっちりとした法律の仕組みを覚えておいて、
出来るだけ紛争にならないようにしたいものですよね。

@相続の意義
相続は、被相続人(当人)の死亡により、その被相続人に属する財産上の権利が相続人に継承される
ことを言います。相続の権利は財産のみであり、免許などの権利は継承されません。

免許などの権利とは、「宅建の資格・建築士免許、運転免許」などを指します。
つまり、その当人でなければ果たす事が出来ない権利の事です。

A相続人
自然人(全ての人)は相続人になれます。まだ生まれていない胎児にも相続権はあります。
・被相続人に詐欺や強迫などにより反道徳的な行為を行った者については当然のごとく、相続権を
失います。
・被相続人は相続権があるであろう者が、被相続人に対し虐待・侮辱などを行っていると判断される
ばあい、そのものを相続者から排除する事が出来ます。
・相続に関する遺言書を、改変・変造・破棄したものも相続権を失います。
・相続の放棄をしたものは、最初から相続人にならなかったものとみなされます。

B相続の順位
・相続人になれるのは、配偶者と一定の血族です。
(内縁の妻・夫には相続権はありません)
・配偶者はつねに相続人となります。
○血族については順位があります。
第一順位・・・被相続人のです。
第二順位・・・被相続人の直系尊属(父・母等)です。
        直系尊属が複数の場合は、最も近い親等(世代)の者となります。
第三順位・・・被相続人の兄弟姉妹です。
※第一順位に該当する者がいない状態で第二順位が、第一順位・第二順位に該当する者がいなくて
第三順位のものが相続権の対象者となります。

C遺言
遺言は満15歳に達すれば誰でも行う事が出来ます。
※未成年者でも単独で遺言を行う事が出来ます。
・遺言はいつでもその遺言の一部又は全てを取り消す事が出来ます。

D遺留分(いりゅうぶん)
遺言により、被相続人がどのような遺贈(遺言による贈与)を行ったとしても、特定の相続人に保証
される、財産相続の割合を指します。
・遺留分の権利を持つ者は、配偶者・子・直系尊属のみです。兄弟姉妹は遺留分を有しません。
・遺留分の割合は、通常の相続分の半分となります。(直系尊属は3分の1)

2回目は、実際にどのくらいの割合になるのかについてお話します。