〜その4〜意思表示@「通謀虚偽表示」

 今回から5回に分けて意思表示について説明します。
通常、正当な意思表示の上で契約が結ばれればなんら問題は無いのですが、
中には、勘違いや悪質な行為に及ぶ事があります。
そのような行為をそのまま認めてしまう事を避けるため、民法ではいくつかの
不当な行為について、無効や取消の効果を発生させるように制定しています。

今回の、「通謀虚偽」表示ですが、よく、ニュースなどで脱税のために○○と通謀
し、存在しない支出を・・・、何ていう話を聞きますよね?

まさに、それが通謀虚偽表示で、それを行った当事者はもちろん契約は無効になり、
また、そのことを知らず(善意)譲渡を受けた第3者には無効(取消)を主張できません。

例えば・・・
まうちゅ
こあらん
うさっぴ
3人(?)がいたとします。
まうちゅが持っている自宅・・・
自宅を持っていれば固定資産税などの税金が課せられます。
それを滞納した為に、差し押さえを受けそうになったので・・・

こあらんに仮装譲渡しました。  しかし・・・
うさっぴ先生、確か、家、探してましたよね?
うむ・・・良い物件でもあるのか?
こちらですけど・・・どうでしょう?
ほう・・・なかなか良さそうじゃないか。
お前が売ってくれるのか?

なんと、こあらんはまうちゅの家を売ってしまいました。
この場合、まうちゅはうさっぴに対して、家を取り返すように請求できる
でしょうか?

答えは・・・前述のとおり、できません。

うさっぴは、この家がまうちゅのものだとは知らず(こあらんのものだと思い)
購入しましたので、善意者として保護されます。

また、このまうちゅからこあらんの譲渡についても一切無効となります。