〜その7〜意思表示C「錯誤」

 今回は、錯誤についてお話します。
錯誤とは、いわゆる勘違いの事です。
この場合は、契約のどの部分で勘違いを起こしているか、
これが重要になります。

例えば、


ルーチェが星と月の
アクセサリを持ってたとします。
花梨がそのアクセサリを欲しい
とおもってたとします。
ねぇ、ルーチェ。
その星のアクセサリ、うちの花と交換
して〜
いいよ。じゃあ、明日持ってくるから。
そして、次の日・・・
はい。もって来たよ。
あれ?星のアクセサリって言ったのに・・・
あら。そうだったの・・・
でも、私も星のは好きだから・・・
え〜
でも、交換してくれるって言ったじゃない〜

この場合、ルーチェは交換しなくても良い。
という事が法律の上では判断できます。

つまり契約の重要な所である「アクセサリの種類」を
ルーチェは勘違いしてあるところがポイントです。

ただし、その場で交換した後に渡し間違えた、という場合は
いわゆる過失があるというふうにみなされ、
無効を主張できません。

星と月のアクセサリですと形も違いますし、
見てすぐ分かりますから・・・いわゆる重過失ということになります。


重過失とは、誰が見ても分かるような程度のものを間違えてしまう・・・
例えば、1000万円と100万円の入った袋を
渡し間違えるなど・・・
そういうものを指します。

似たようなもの、形、である場合は重過失、ということではない、という事です。



〜その8〜意思表示D「強迫」

 強迫・・・いわゆる脅し、ですね。
脅されて契約をしてしまった場合・・・
これは、契約を取り消す事が出来ます。
詐欺とは違い、一方的に力で(平等の均衡が無い)抑えられている為、
相手方を保護するようにするのは当然の事でしょう。

もちろん、その強迫で売らされた土地が、他の人に売買され権利が移っていた
としても、取り返す事が出来ます。

上の例は、詐欺の場合、その新しく買った人が詐欺を知らなかった場合のみ
取り返されないという事でしたが、強迫の場合は、知っていても知らなくても
(善意の場合であっても)取得できないという事です。


では、最後にちょっと複雑な話かもしれませんが・・・
第三者による詐欺または脅迫について表をもって説明します。

詐欺の場合・・・
きりん君
ぺんちゃん
うさっぴ
土地を売り→
←お金を払う
土地を売る→
←お金を払う
↑詐欺
こあらん

この場合はどうなるでしょう?
まずは、きりん君が詐欺に気付いて取り返せるかですが、
ぺんちゃんがこあらんの詐欺を知っていた場合は、取り返す事ができます。
知らなかった場合は、きりん君に落ち度があると言う事で認められません。

まぁ、この場合の詐欺でしたら、まずぺんちゃんとこあらんの関係から言えば
知らない事は無いと思いますけど・・・

つぎにうさっぴはぺんちゃんから買い取った土地がどうなるか・・・
うさっぴはきりん君とこあらんの詐欺を知らない場合は、
土地を手に入れる事が出来ます。
この場合は、きりん君が要求しても返す必要はありません。

つまり、ぺんちゃんが詐欺を知ってて、うさっぴが知らない場合は・・・
最終的に、うさっぴは土地を取得して、きりん君はぺんちゃんにお金を
返して貰う事しか出来ないわけです。

強迫の場合・・・
きりん君
ぺんちゃん
うさっぴ
土地を売り→
←お金を払う
土地を売る→
←お金を払う
↑強迫
こあらん

上の表と殆ど変わらず、こあらんが強迫をした、というところだけ変わってます。
この場合は、きりん君はいつでも契約を取り消せますし、
うさっぴに土地が渡っていても、取り返す事が出来ます。
土地を返したうさっぴは、ぺんちゃんにお金を返して貰う事しか請求
できません。

強迫は、相手の権利を侵害しているわけですから、全面的に保護されますが、
詐欺の場合は、自分に落ち度がある可能性も考えられるので、
場合によっては辛い立場になってしまう事もあるわけです。

詐欺を受けたからといって全面的に相手のせいになるわけではありませんので・・・
十分気をつけましょう・・・(^_^;)

では、次回からは、権利の変動の説明に入ります。

あっ、あと、良く分からない〜という方、どんどん掲示板に書いていってくださいね。
私も、説明ベタですから、自分のわかるようにしか書いてないかもしれない所が
多数あると思いますので・・・m(__)m