そのA大工道具


墨つぼ

墨つぼと墨さし

今の普及しているもの

墨つぼは、建築工事を行う上で無くてはならない道具の1つです。
主な役割は、コンクリートや板・木材の上など鉛筆などでは線を引きにくい場所に墨つぼを使って
線をつける(墨を打つ・弾く・引くとも言います)事です。

墨つぼの仕組みは、まず、つぼのような形をしている丸い部分(右写真)
水車の車のような形をしている部分(左写真)
そこには、糸が入っています。
右写真の一番先の部分・左写真の一番右についている細長いもの・・・
これは「軽子」(かるこ)と言い、この部分を引っ張ると糸が伸びていくのです。
糸と、かるこの間にはスポンジや綿に墨が染み込ませてあり、自動的に糸に墨がつく様になっています。

後は、その引っ張った糸をもう片方の手で少し上に持ち上げてピンと弾くと地面に墨で線を描けます。

糸を弾く前にある程度きちんと引っ張っておかないときれいに真っ直ぐの線が引けません。
慣れない時や長い距離を打つ場合は、二人で作業をする事も出来ます。
しかし、この場合・・・特に右写真のような今普及しているものは
かるこを話すと自然と巻き戻されるようになっているので注意が必要です。
もちろん、巻き戻しを止める事も出来ますが・・・

かるこの先に針がついているのは、木材などに刺してから使用する事が多いからです。
特に、昔では今のように木材の自動切断機などがありませんでしたから長い材を切る為の印として墨つぼを使う事が
多かったようです。

ちなみに、左の写真にある墨刺しですが、かるこを引っ張る際に、墨がつきやすいよう綿を抑えたり、
墨の後に字や印を書くときや、短い線を引くときに利用します。
写真ではへらのような部分しか見えませんが、反対側は竹をハンマーで叩き潰して
字を書きやすいようにしてあります。