地上波デジタル放送の落とし穴?

今月(平成15年12月1日)から放送が開始された地上波デジタル放送。

開始、とはいっても今見れる地域は日本全国どこででもと言うわけではなく、限られた地域のみ
となっております。

しかし、これを数年に分けて範囲を広くしていき最終的に、平成23年あたり(2011年)までには完全に
地上波デジタル放送への切り替わりになってしまうそうです。


でも、いったい地上波デジタル放送って何???

と思う方、たくさんおられると思います。
ここからの話は、知っておくのとおかないのとでは大きく違ってしまいますので
これから損をしないようなお話をさせていただきたいと思います。

@地上波デジタル放送へ変わった経緯
A今のテレビはどうなるの?
B放送開始までにしないといけない事




@地上波デジタル放送へ変わった経緯

最近、有線による電話回路はインターネットなどのITにより大きく複雑化してきました。
一方、無線回路のほうも携帯電話の爆発的な普及により莫大な量へとなっているようです。

テレビの無線放送(アンテナ受信)・トランシーバー・携帯電話・ラジオなど・・・
たくさんの電波が混信している現在、ついに大きく整理をしないといけないようになってしまいました。

そこで、回路を整理するために、一番早く候補に挙げられたのが「テレビの放送」だったわけです。

上の概略が、今現在放送されている無線放送の形態です。
テレビは、VHFとUHF放送の2種類があります。
しかし、最終的には、下のように今のUHF放送の範囲でまとめられるようです。
(デジタルは圧縮処理が可能なので、小さい範囲で多くの量を使えます)

ここで、お気づきの方もおられるかもしれませんが、地上波デジタル放送に変わると「今見ている放送局のチャンネル」が
変わる可能性が出てくるということです。

特に、現在VHFで放送されている2〜12chにつきましては、必ず変わります。

そして、良くNHKで言われている「アナアナ変換」と言う言葉。
これは、地上波デジタル放送のチャンネルと、今流れているアナログ放送のチャンネル
干渉しないように、その干渉している地域について無償でチャンネルの調整などをしてくれる工事のことを指します。

しかし、これは現在のアナログ放送の保全措置であってこれをしたからといってデジタル放送が保障される
と言うわけではございません

あともう一つ、携帯電話の電波は現在テレビ放送よりも高域にあるようですが、
それを今のVHFの域に移すことも検討されているようです。
つまり、これはいずれ携帯電話も同じように今の携帯電話ではつかえなくなる可能性が
出てくることを指します。






A今のテレビはどうなるの?

皆様が一番多く疑問を抱くところかもしれませんよね。

答えを先に言いますと、今のテレビから、地上波デジタル放送を見ることはまず出来ません
それは、テレビの中のチューナーの仕組みがアナログと、デジタルでは違うからです。

しかし、デジタル放送対応のテレビをすでに購入されているかた。この方もご注意が・・・
いくらデジタル放送対応とあっても、チューナーが内蔵されているかどうか、それが一番の問題です。

それはテレビの説明書や梱包の箱を見ていただければ、分ると思います。

では、今の普通のアナログテレビの方はどうすればいいのか・・・

方法はいくつかあります。


1.チューナーを購入。

現在のテレビに、デジタル放送用のチューナーを買えば、それをつなぐことによって
放送を見ることが出来ます。
ただし、画質は見劣りするかもしれませんが、まぁ見れたらいいかな?と思うくらいの方でしたら
特に問題はないと思います。

また、デジタル放送対応のテレビの場合の方もこちらを購入すれば問題なくみることが出来ます。


2.デジタル放送用のチューナー内蔵テレビを購入。

これが、一番理想的な形ですが、なんせ「高い」ですよね・・・
それこそ、まだ始まったばかりのデジタル放送を見るためですから、
今のうちに無理に購入する必要はないと思います。(私はそう思っています)

2011年までにはまだ数年ありますし、普及につれ値段も少しずつ下がっていくとは思いますし
様子を見てからのほうがお得かもしれませんよね。

ちなみに、よく言われているD3・D4端子。これは、ハイビジョン放送を見ることが出来る
端子であります。D1・D2でもデジタル放送自体は見ることが出来ますが、ハイビジョン放送は見ることが
出来ません。


値段は、チューナーでも6〜7万円位はするみたいですから、
現在のテレビ+6万円。
新しいテレビー6万円。
の考え方で天秤にのせてみては如何でしょうか?

私個人としてはやはり2のほうが後々のためには良いような気がします・・・


<参考>アナログ用のテレビでデジタル放送を見る場合。

デジタル放送には、地上波デジタル放送BSデジタル放送、そしてCS110度放送の3種類があります。
無料で見れるのは、地上波デジタル放送なのですが、
コンセントから出ている上の黒い線が、デジタル回線・・・つまりアンテナから受信した電波をテレビに移す
ための回路です。
その下にある赤い線は、「双方向受信(インターネットの送信のようなもの)」のためのアナログ回路です。
こちらからの選択した電波は電話回路を使って放送局側に送られます。
しかも、これに対する手続きは全くなく、今のインターネットのようにプロバイダと契約をしなくても良い・・・
つまりは無料で自分の見たい情報を随時見ることが出来るのです(これは便利!!)

つまり、テレビを見るだけの方はテレビ用のコンセントでよいのですが、
いろんな情報を見たい方は、電話のジャックにも線をつなげなければなりません。
電話回線とテレビの引き込みコンセントの位置が離れている方はちょっと面倒ですよね。

上の絵で、テレビがデジタル放送用チューナー内臓のテレビを使用されている方は、
真ん中のチューナーはなく、そのまま直につなげることが出来ます。





B放送開始までにしないといけない事

地上波デジタル放送の開始までは、まだまだ時間があるとは言うものの、あまりずっと放っておいて
いざ開始時期になって大慌てするのは嫌ですよね。
間近になってから色々準備をしようとしてもすでにテレビなどの予約がいっぱいで結局放送が始まっても
デジタル放送が見れない・・・という最悪の状況もありえないとはいえません。
テレビの購入はまだしも、アンテナの工事をしないといけない地域におきましては
一時的な麻痺状態に巻き込まれないともいえません。

一番よいのは、まず電気屋さんにてアンテナの工事が必要なのか。
どのくらいの金額がかかるのかというのを良く相談してみることです。
特に、首都圏におきましてはチャンネル数の増大などからUHFアンテナが2本必要な地域も出てきます。


後は、テレビではありますが、今使っているテレビの使用期間が長い場合は
デジタル放送用チューナー内臓のテレビに買い換えることをお勧めします。
接続端子はD3・D4端子のものを強く推奨いたします。

ただ、今のテレビを直近に買われた方の場合は、チューナーだけを購入するのも良いかもしれません。

慌ててチューナーだけを買うようなことは、まだあまりお勧めはしません。
まだ放送が始まったばかりで、NHK・民法ともにまだ体制は整われていないと思います。
私が思うのは、2008年くらいが転機にあたるのではないでしょうか?

しかし、国の方向としましては放送普及率が80%を超えたら、時期を待たずに切り替える可能性もある
という話もあるみたいですので・・・

まぁ、今のところはまだじっとそのままでいたほうが良いでしょう。
・・・・どうしても見たい方はAを参照してください。

時期
2004年
2005年
2008年
2010年
2011年
1月
2011年
8月辺り
普及域
(予想)
首都圏と
他の一部
左の一回り
大きな範囲
約7割以上
の地域
約9割以上
の地域
ほぼ全ての
の地域
全地域
(完全切り替え)
見たい度
強い方
強い方
関心の
ある方
低い方も
全ての方
全ての方
お勧め度
無理には
お勧め
しません
まだ様子を
見たほうが
良いでしょう
下準備は
整えた方が
良いでしょう
体制は早めに
整えた方が
良いです
早急に
準備を
しましょう
準備をしないと
見れません(^_^;)

<注意>あくまで予想です。これよりも時期が早くなる可能性はありますのでご注意下さい。

必要なもの
・アンテナの取替え(分配器など)
・チューナー設置または対応テレビの購入
・アナログ端子(電話用のジャック)の追加または分岐延長

分岐延長は電気屋さんにある電話専用の分配器ですぐに出来ます。
今の電話にあるモジュラージャックを分配器につないでそこから
電話とテレビへ新しい線をつなげます。
600円くらいで材料は買えますのでご心配なく。
こうしたことにより電話が通じない時間が出てくることはございませんので
ご安心くださいね。