2、レベル
レベルを使った測量 |
レベル |
レベルの使用目的は、主に下記の2つとなります。
1.地盤面(地面)の高さの差を測る。
2.基礎や床などの水平を出す。
建築工事や外構工事の始まる前に、周りの高さとの差を出します。
敷地は基本的に道路などの外回りより少し高くするのが理想です。
低くなると、大雨の際の水はけが悪くなったりするからです。
周りとの高さの差を出したうえで、建物の工事を始める前に敷地内の土を外に出したり、
あるいは外から持ってきたりして、地盤を均していきます。
工事を始める前に、この確認をしておかないと、玄関に上がるための段差が大きすぎてしまったり、
敷地内に水がすぐにたまってなかなか抜けない部分が出来たり、塀を作ったけれど思ったより高くなかった・・・
と言うような状態に陥ってしまう可能性があります。
レベルの役割は以下のようになります。
←三脚(台)
レベルもトランシットも、機械を三脚に据えつけるのですが、実はレベルとトランシット用の三脚は
個別に専用のものがあるのです。
〜レベルの使い方〜
レベルは、トランシットより使い方はかなり楽になります。
トランシットのように、ある点の決まった所に据えつけるのではなく、機械を水平に設置するだけで良いからです。
さらに、今のレベルは「オートレベル」と言ってある程度、気泡を水平に近づけたら後は機械のほうで
自動的に水平を保ってくれる仕組みになっております。
レベルを水平に据えつける事が出来ましたら、まずベンチマークと言う、その建物に対する高さの基準の位置の
高さを測ります。
上の図で言えば、@の所に標尺(大きなものさし)をまっすぐに立て、目盛りを読みます。
レンズには縦横の線が入っていますので、標尺が真っ直ぐになっているのを確認して目盛りを読みます。
例えば、このときの数値が「850mm」であったとします。
次に、高さを知りたい所へ標尺を持っていきます。
Aのポイントに設置して、同じように目盛りを読んでいきます。
このときの数値が「855mm」であったとします。
同じように、B・Cと目盛りを読んでいきました。
それをまとめると・・・
計測点 | 数値(o) | 高低差(o) |
BM@ | 850 | ー |
A | 855 | −5 |
B | 1240 | −390 |
C | 910 | −60 |
D | 796 | +54 |
@のポイントで850、Aのポイントでは855でしたので、高さの差は
−5oとなります。
数値の差が+の時は低く、−の時は高い位置になります。数値の差と高低差は反対になりますので間違えないように
気をつけなければいけません。
これが、役割1の地盤の高さを出す方法です。
2の同じ高さを出す時には、同じようにベンチマークで数値を読みます。
建物には、グランドライン(GL)という、ベンチマークとは別に設定された高さの基準があります。
GL=BM+250
一般的にこう言う形で書かれ、この場合ですと、建物の地盤の高さは、ベンチマークより250o高いですよ、
と言う意味になります。
さらに、基礎の天端(上端)の高さを出す際には、同じように今度は(GL+500)のように設定をされています。
この場合は、GLから500の高さに基礎の上端があることを指します。
上の図を例にとって見ますと・・・
ベンチマークでの点の数値が、1000とします。
すると、GLは、ベンチマークから250高い位置になりますので、
GLの数値は、1000から250を引いた750になります。
さらに、基礎の上端は、GLより500o高いようになっておりますので・・・
750から500を引いた250になります。
この250を基準として、基礎の高さを出していきます。
基礎の高さを出すのは、
型枠工事の時に、型枠の内側に印をつけて行くやり方になります。
コンクリートを打ってしまってからでは遅くなってしまいますよね。
1の時には、票尺の持ち手は地面にそのままおくだけのやり方ですが、
2の場合は、持ち手が標尺を上下に移動させながら、レベルの測り手は250に合うように合図をしてあげるようにしていきます。
レベルもトランシットも、最低2人以上の人が必要ですからお互いに気の合った人同士が
ペアになると良いのではないでしょうか?(笑)